叶「リザさんって、何歳なんですか?」
リザ「そろそろフーガが来るんじゃない。今日は学校ないんでしょ?」
叶「……話を逸らさないでください」
リザ「お茶の準備でもしておこうかしら」
叶「……リザさんとフーガって、だいぶ歳離れてますよね」
リザ「そうそう、クッキーがあったわね」
叶「……十七でリザさんが『海の女になるわ!』って家を飛び出した時のこと、フーガは小さかったからあんまり覚えていないって言ってましたよ」
リザ「あら? 紅茶が切れてるわ」
叶「……無視しないでください。というか嘘つかないでください。今朝新しい紅茶を詰めましたもん」
リザ「なんだか眠いわ」
叶「……で、リザさんって何歳なんですか?」
リザ「いいお天気ね」
叶「……フーガさんが十九ですよね。リザさんは二十代前半?」
リザ「そうよ」
叶「……やっとまともに会話が成立しましたね」
リザ「うふふ」
叶「……あっさり肯定したということは、二十代前半じゃないんですね」
リザ「二十三よ」
叶「……嘘ですね」
リザ「二十三よ」
叶「……凄みのある笑顔をしないでください」
リザ「ひどいわカナエ。私の言葉が信じられないっていうの」
叶「……話を逸らしまくって、いきなり二十三だなんて主張するということは、実年齢はもっと高いということですから」
リザ「……」
叶「……」
リザ「女に年齢聞くなんて最低よ!」
叶「……で、何歳なんですか?」
リザ「……」
叶「……」
リザ「クッキーいらないのね」
叶「……いります」
リザ「……」
叶「……わかりました。もう聞きません」
リザ「いい心がけね」
叶「……はあ」