モノローグ・ログ3

掲載日:2010-01-14

それが私の望み

 傷つけてください
 もっと、もっと、傷つけてください

 歩き出せないくらい
 振り向けないくらい
 立ち上がれないくらい
 顔を上げられないくらい
 涙も出ないくらい
 声も出ないくらい
 まばたきできないくらい
 夢から覚めることができないくらい

 傷つけ抜いてださい
 それが私の望み

あなたを愛する限り

 好きです。
 あなたが好きです。
 あなただけが好きです。
 あなた以外を好きになることなんてありえません。

 好きで好きでたまらないんです。
 あなたさえいれば何もいりません。
 あなたさえいれば何も求めません。
 あなただから好きなんです。
 永遠にあなたが好きです。

 だってあなたを好きでなくなったら。

 ――っ!

 嫌だ嫌だ嫌だ!
 手に入れたのに。
 かりそめであろうと、手に入れたのに。
 手放したくない。失いたくない。
 だからっ!

 ――だから?

 覗いてはいけない穴の底。
 気がついたら戻れない。
 気がついたから、戻れない。

 あなたが好きです。
 あなただから好きなんです。

 あなたを愛する限り、この世界は永遠なのです。

ゆめうつつ

 夜がくるのが待ち遠しい
 夢の訪れはあなたの訪れ
 あなたに会える唯一の手段

 朝がくるのが憎らしい
 夢の終わりにあなたはいない
 あなたがいないと思い知らされる瞬間

 時間なんて止まってしまえばいいのよ
 永久に覚めぬ夢があってもいいでしょう?
 穏やかなあなたの笑顔に会えるのよ
 暖かいあなたの声を聞くことができるのよ
 たとえそれがどんなに儚いものだとしても
 幸せだと叫べるわ

 歌うあなた 舞う私
 奏でられる旋律は空に響いた
 闇は光に 光は闇に
 あなたがいるほうが現実なのよ

 それでも朝日は容赦なく時を伝える
 あなたがいない現実を突きつけられて
 目覚めと共に感じる 絶望

うしなったもの

 壊れる涙
 愛しい言葉
 偽りに微笑んだ君は

 儚い真実
 揺るぎない現実
 それでも微笑む君は

 歌う
 声の限り
 踊る
 軽やかなまでに

 全てを薙ぎ払い
 全てを包み隠す
 君の叫び

 そこに守るべきものはなく
 愛すべきものもない
 そこに恨むべきものもなく
 憎むべきものもない

 君は歌い踊り叫ぶ

 その心から僕が消えるまで
 その記憶から僕が消えるまで

 ――永遠に

あの日

 空に舞う光
 君はもういない

 なくしたものは
 決してこの手に戻らない

 薄れゆく君の声
 そのぬくもり

 忘れることなどできない
 この想い

 終わりを知った
 あの日に帰りたい

 まだ
 間に合ったかもしれないから

嘘じゃなかったのに

 君を守ると誓ったことは嘘じゃない
 静かに微笑む君が好きなんだ
 闇に震える君のそばにいたいんだ

 長い髪はつめたくて
 細い指はあたたかい
 君はここにいる

 出逢うことが宿命だったとしても
 君を愛したことは僕の意思
 だからどんな運命にも負けないと信じた
 傷つけたくない 失いたくないんだ

 散りゆく花 めぐる季節
 どうしてこんなに弱いんだ?
 ほしい力は君を傷つけるものじゃなかったのに

 紅く染まった葉は花びらのようで
 横たわる君は美しくて儚くて
 もう二度と微笑まない

 君を守ると誓ったことは嘘じゃない
 嘘じゃ、なかったんだ――

決意

 女は笑う
 艶やかに笑う

 女は踊る
 君に会いたいと願うことが罪になるというのだろうか
 失いたくないと叫ぶことが愚かだというのだろうか

 過去になんてしたくない
 思い出になんてしたくない
 否応なしに流れる時を止めてしまいたい

 空に輝く光
 ほのかに僕らを照らしてくれるけど
 君はもうここにはいない

 弱さを憎んだ
 運命を呪った

 そばにいほしいだなんていわない
 笑っていてほしいんだ
 幸せであってほしいんだ
 僕のすべてに変えても、守りたいと思ったんだ

 消えてなくなる想いならば
 はじめから求めはしなかった

 舞う想い
 散る願い

 永久なる祈りは無残に切り裂かれ
 絶望に叩き落すその時を待っている
 君はどこにいる?
 君の描く未来を見てみたかった
 だから、選んだこの道を

 誰よりも
 なによりも
 大切な君が――

守りたい、ただそれだけだった

 君の笑顔を見たいと思ったのはいつからだろう
 時折見せる小さな笑みが美しくて
 こぼれた過去を痛みとともに拾い集め
 一人で泣く君を知った

 いつだって自分の足で立ち上がり歩き出す
 血が流れ続ける傷を塞ごうともせずに

 君の抱えるものを知りたいと思った
 君が抱えるものを一緒に抱えたいと思った
 最後まで、全てをさらけ出してはくれなかったけど

 傍にいるだけで幸せだった
 笑いかけてくれるだけで満たされた
 寄りかかって一人静かに疲れた心を癒す君が愛しくて

 何が間違っていたんだろう
 どこから間違ってしまったんだろう
 移ろう季節は足早に通り抜け

 自分の弱さを憎んだ
 この運命を呪った
 どうすることもできなかった

 けれど
 裏切られた君は優しくほほ笑み
 全てを許し受け入れてくれる

 二度と開かないまぶた
 温もりの消えるその体

 守りたい
 ただそれだけだった

 思い出に変わる記憶は
 君を夢の中に閉じ込める

 誰よりも何よりも愛していた
 誰よりも何よりも守りたかった

 巻戻すことのできないテープが
 いつまでもいつまでも廻り続ける

 いつか擦り切れるその日まで

誓い

 そこに君がいるなら 僕は何に変えても飛んでいこう
 そこに君がいるなら 僕はすべてを捨ててでも駆けつけよう

 そこに君がいないなら 僕は世界の果てまで探しに行こう
 そこに君がいないなら 僕はこの命のすべてをかけてでも見つけ出そう

 言葉は祈り
 祈りは力
 力は希望

 会いたくてたまらない
 そのためならなんだってできる

 記憶は過去に
 過去は思い出に
 思い出は薄れてく

 それでも君を忘れないと誓おう

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