同人ゲームのレビュー

最終更新:2009-07-20

個人的に特にオススメする他サイトの同人ゲームを簡単に紹介します。
ノベルゲーム中心ですが、場合によっては別ジャンルを載せることも有。

他にもブログでプレイ直後のテンションのままにいろいろ感想を書いています。

 目次

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送電塔のミメイ

 制作者:里見しば 様
 制作者サイト:『TRUE REMEMBRANCE

 廃墟離島と呼ばれる小さな島での物語。
 島には人の念を喰っては形を成すコゴリ鬼が出る。コゴリを倒すため島に訪れた、未来を垣間見る異才を持つミメイ。自分もコゴリだと言う、同じくコゴリを狩る夜刀。そして島に住む人々の姿を描く。


 分岐なしの伝奇サウンドノベル。前作『TRUE REMEMBRANCE』で絶大な人気を得た里見さんの二作目です。
 ストーリーはもちろん、文章もイラストもムビーも前作をさらに上回りかなりの水準。読んでいる途中でボロボロ泣いたのに、EDムービーでさらに泣きました。視点は話ごとに変わりますが、とても効果的にまとまっています。ミメイと夜刃だけでなく島の人々の生活や心理も、細やかに描いています。
 長編なのでプレイ時間は長めですが、一話ごとに区切りがついているので休憩を入れやすいです。

 →ブログで感想書いたことあり

魔歌使い

 制作者:Ray 様
 制作者サイト:『Ray Official site

 目的は、物語を悲劇に導くこと。

 出版社を経営する双子の白鳥兄妹は、ベストセラー「MUSE」の日本での翻訳・出版のためアメリカに渡り、覆面作家「M」と対面する。そして『これから私が語る物語の結末を、悲劇に導いて下さい』と「M」は、王と奴隷娘と塔に幽閉された詩人の、奇妙な恋物語を歌いはじめる。


 枠物語幻想ノベル。このジャンル設定からも、異彩を放っています。
 悲劇に導くことが目的のこのゲームで語られる物語は、ギリシャ悲劇をベースにひいたもの。悲劇が目的とはいえ、奴隷娘ララに圧し掛かる運命には「お願いだから幸せにしてあげて」と叫びたくなります。王様のお馬鹿さん。
 主人公の双子は、どちらをプレイキャラとして選択してもストーリーは変わりません。どちらも好きです。全6話構想の1作目なので、謎が色々残っていますが十分おもしろいです。ただし、続編が出るかは微妙のようです。
 全年齢向けですが、けっこう残酷表現があるので15禁くらいに考えたほうがいいです。

魔女の遺言

 制作者:孟曹子 様
 制作者サイト:『easel

 祖母が死に、天涯孤独となった娘は一人旅に出ようとする。しかし王都から個性豊かな4人の『聖騎士』が「迎えに来ました、魔女殿」とやってくる。死んだ祖母は『本物の魔女』と言われた人で、祖母が孫娘のことを国に頼んだのだった。
 けれど祖母の力を受け継いだと言われた娘は、魔女ではなかった。


 乙女向けファンタジーADV。作者様によると『乙女ゲー』というより『口説かれゲー』のようです。
 主人公はモテモテです。しかし好感が持てるキャラなので、モテモテでもいいのです。攻略キャラは全部で6人(メインは4人)。それぞれ個性豊かでおもしろい。個人的にはリックスが好きですが、バナーにもしているカークが一番笑いのツボをついた。フルコンプするなら、少し攻略が大変かもしれません。全年齢版と15禁版がありますが、フルコンプするなら全年齢のほうが楽。
 番外編として、主人公の友人がメインになる『人読み師』があります。今は続編製作中。

蜃気楼の教室

 制作者:相馬冬 様
 制作者サイト:『電脳 不在証明

 誰の意識のも上らない空気のような存在。そういった生き方が望みだった佐野は、自分の前の席に座る蜃気楼のような少女に憧れていた。
 しかしある日、その席に座っていたのは全く別の女子生徒。今まで病欠していたというのだが、彼女がいない時は再び蜃気楼の少女がその席に座っていた。


分岐なしの短編サウンドノベル。
 「第1回 ミステリーズ!短編賞」にて最終候補に残った作品を、改稿してサウンドノベル化。サイトに投稿時の小説もアップされていますが、個人的にはサウンドノベル版の方が好きです。
 プレイしたのはだいぶ前なのに、ネタバレにならない感想をどう書けばと悩んで放置状態でした。しかし久しぶりにブログに書いた感想を読み返してみると、それなりにまとまっていたのでリンクからどうぞ。

 →ブログで感想書いたことあり

雨と猿

 制作者:大山椒魚 様
 ダウンロードサイト:『ふりーむ!』内、紹介ページ「雨と猿

 友人の勧めで山奥の宿屋に行こうとした主人公は、道に迷い崖から落ち雨に降られます。そして、発見した小屋で出会った「猿丸」と名乗るひょうきんな男。彼の案内で目的の場所にたどり着いたが……。


 選択肢のないサウンドノベルです。
 シナリオやキャラ造詣はもちろん、シリアスとギャグのさじ加減、内容や会話のテンポもよかったです。
 さらに演出面も素晴らしくて、影絵を上手く活用していました。ぱっと見た印象は、全体的に色合いも暗くて地味なんですが、雰囲気に合っています。もっとも、画像や演出はかなり丁寧で細やかです(影絵は動きますし)。手を抜いた地味さではなく、計算された地味さといった感じ。五分もしないうちに「地味」から「すごい」に印象が変わると思います。
 シナリオだけでも十分楽しめますが、サウンドノベルの利点を活かして演出した良作です。質の良いシナリオのサウンドノベルを求めている人にオススメ。

 →ブログで感想書いたことあり

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 彩花〜誓い〜

 制作サークル:華子鹿 様
 制作者サイト:『華子鹿
 価格:1000円(ショップ価格:1470円)
 備考:「彩花三部作」の第一部、副読本『彩花入門書』あり

 毎年花びらの色を変える神の花・彩花の恵みを受ける彩華国。一年中咲き続ける彩花が唯一散る年の暮れ。年明けに再び花開くまで、その恵みを宿す依代となる「花乙女」に、国主の妹・葉月が選出された。兄やその親友、そして国民のために、真摯に儀式を行った葉月。けれど年が明けても彩花に花びらは戻らず、花を取り戻すために「色の恵みを持つ者を集めよ」と勅命を受け、町に下りる。
 そして箱入り娘で何も知らなかった葉月は、仲間と出会い、多くを知っていく――。


 和風ファンタスティックノベル。絵柄的には女性向けですが、内容的にはどちらでもOK。上質の物語を読みたい人にオススメです。話は第一部できちんと完結します。ただし、今回は主人公の葉月視点で進むので、葉月が知らない情報は抜けており置いてけぼりの部分アリ。けれど第二部で補完されるようなのでご心配なく。
 この作品の注目は、華麗なグラフィックです。豊富な立ち絵に一枚絵はもちろん、様々な演出を駆使して物語を盛り上げます。オリジナルのBGMも良く、全体的な完成度が高いです。体験版で序章と第一章がプレイできるので、ぜひプレイをしオススメします。

 →ブログで感想書いたことあり。「2007年web体験版」「完成版を購入」「完成版」。

 犬神使いと少年

 制作サークル:活動漫画屋 様
 制作者サイト:『人形城奇譚
 価格:1000円(ショップ価格:1050円)

 桜の下で出会った不思議な転校生・白沢道草。杉山は風変わりな彼とよく一緒にいるようになる。そんな中、学校で流行る「こっくりさん」。それを邪魔し、「あなた──イヌガミスジの恨みを買ったわ」と言われた女生徒が学校を休みがちになった。そして杉原と白沢は、非常勤講師の紅葉と共に「犬神」に関わっていく――。


 美麗なイラストで魅せるヴィジュアルノベル。縦書きノベルは珍しいですが、雰囲気に合っていて読みやすいです。
 妖怪ものが好きな人や、民俗学に興味がある人なら特に楽しめる内容です。多少難解なところがありますが、だからといって話が分からなくなることはないので安心です。ラストは三者両論あると思いますが、個人的には好き。でも、もっとこの舞台とキャラクターでお話が読みたいなぁと感じました。

 →ブログで感想書いたことあり。【コチラ

 うみねこのなく頃にEP1〜4

 制作サークル:07th Expansion 様
 制作者サイト:『07th Expansion
 価格:2500円(ショップ価格:2625円)

 年に一度の親族会議のために本家がある六軒島に集まる右代宮家一行。そこには、6年ぶりに親族会議に出席することになった戦人もいた。穏やかで楽しい再会は長くはなく、台風に閉ざされ孤立した彼らは、魔女ベアトリーチェの挑戦状を受け取り、残酷な殺人事件に巻き込まれる。
 魔法としか思えない殺人に、魔女の存在を認め屈するか、それとも意地でも人間の仕業だと主張し推理するか――。


 言うまでもなく、『ひぐらしのなく頃に』の人が制作した作品です。相変わらずのボリュームで読みきるのが大変でしたが、続きが気になってずーっと読んでしまいました。
 残酷でグロい部分も多々ありますが、その根底にどこか虚しさや哀しさを感じてどんどん惹き込まれます。話数を重ねるごとに浮き出る事実に、毎回驚かされ飽きが来ません。自分なりの推理をした後に、考察サイトを見るのがオススメです。
 EP1は公式サイトでフリー公開されています。興味のある方はぜひプレイしてみてください。

 →ブログでEP1の感想書いたことあり。【コチラ

 櫻ひとひら

 制作者:守屋イオリ 様
 制作者サイト:『in the air
 価格:1000円(ショップ価格:1260円)
 備考:エピローグ本『AIR MIX』あり(櫻ひとひら・夏のとりかご・SNOW WHITE ECLIPSE)、サイトに追加エピソードのパッチあり

 何者かに襲われ記憶をなくした少女は、知っているはずなのに思い出せない青年桐島に助けられ、自分が能條櫻子という旧家のお嬢様だと知る。何も思い出せなず、自身に関して得る情報の断片に戸惑う櫻子。自分を襲い、自分の名を口にする殺人鬼は一体――?。


 遠い昔に体験版をして以来、気になっていた和風サウンドノベル。体験版ではそうでもありませんが、途中から伝奇ものとなっています。
 ジェケットとかにイメージイラストはありますが、本編では全くイラストはなく、美しい写真画像が使用されています。もともとflash制作をしていた方だけあって、特殊な演出はないのに雰囲気にマッチした背景には魅せられます。
 体験版だけでもけっこうなプレイ時間がありますが。そのラストが「えっ?!」という感じで、ものすごく続きが気になります。幾重にも謎のベールがかっていて、それが明かされていくのがとてもドキドキします。というか、体験版で読めるところとその以後では、ガラリといろいろなものの見え方が違って驚きますよ。恋愛要素は強いといえば強いのですが、少女向け的な恋愛とは違う気がするので男性の方も楽しめると思います。
 選択肢があり分岐するサウンドノベルで、BADエンドがけっこう多いです。攻略も作者さんがあげているので、行き詰まったら探せばなんとかなります。
 本編だけですとちょっと消化不良で終わっちゃいますので、サイトにある追加エピソードのパッチは適応したほうがいいですよ。あと、できればエピローグ本も購入して読んだほうがうれしい気持ちになると思います。

 SNOW WHITE ECLIPSE #1〜#3

 制作者:守屋イオリ 様
 制作者サイト:『in the air
 価格:各500円(ショップ価格:735円)
 備考:エピローグ本『AIR MIX』あり(櫻ひとひら・夏のとりかご・SNOW WHITE ECLIPSE)

 17歳にして侯爵の地位を継ぎ、雪の深いニヴェール領主ともなったエリックは、幼馴染であるメイドのブランシュと平穏に暮らしていた。けれどある日、目覚めると見知らぬ街の裏路地にいた。医者に助けられたエリックは混乱しながらも、閉鎖都市ガルヌブールから外に出て、ニヴェールに帰る術を探す。
 一方、父から次の王の証を受けた王女ティアラは、離宮で賊に襲われ逃げるしかなくなった。敬愛する叔父の差金としか思えない状況を認めたくないと思いながらも、ティアラは護衛のクロードと共に特別管理区ガルヌブールへと向かう。
 何故エリックは突然遠い閉鎖都市にいるのか。王の証を継いだために狙われるティアラの敵は、味方は誰なのか。そして、ガルヌブールで実験されているエクスプレスとは――。


 『櫻ひとひら』同様、イラストなしのサウンドノベル。これは選択しなしの一本道です。
 いろいろな登場人物の視点で物語は進みます。エリックとティアラの話がいつ絡むのかとわくわくしながら最初は読んでいましたが、次々と衝撃的なカードがめくられ、一体どうなるんだと思いました。特に#1のラストが好きです。
 正直、守屋さんの作品は感想を書くとネタバレになってしまうので、あまり書けないのです。複線が張り巡らされているのが好きな方は、必読だと思います。世界観や登場人物の練りこみもすばらしく、単純に良質のお話が読みたい方にもおすすめです。
 こちらもエピローグ本は読んだほうがいいと思いますよ!

公開終了

月葬の城

 制作者:Sherica+ 様
 制作者サイト:『Sherica+』(活動停止)

 "愛する人は、あなただけ――"

 「聖女(イスタ)」は大切な儀式に失敗し、3年分の記憶を失ってしまう。そんな中で届いた手紙には、『イスタよ、城へお戻り下さい。黒い月があなたをお待ちです――』と書かれていた。手紙を胸に、イスタは失った記憶が眠るかつて暮らした城に帰ってきた。待ち人に会いに行くため。失った記憶を手に入れるために――。


 少女向けゴシックADVノベル。私がフリーゲームに手を出し始めた初期にプレイし、ハマるきっかけの作品。
美しいイラストがまず目を惹き、続いてストーリーで魅せます。短編なので時間がない人もゲーム慣れしていない人にもオススメ。少女向けですが、男性も大丈夫です。
 ストーリーは良い意味で予想を裏切り、「そっちか!」と叫んでしまうこと必至。主人公はもちろん、不器用な騎士も可愛い侍女もあらゆる意味ですごい妹も素敵です。特に侍女は、ミニゲームで『月葬の城+ 侍女リシュータの、ある一日』があります。

 →ブログで感想書いたことあり

天使転落

 制作者:谷崎由佳 様
 制作者サイト:『NOCOLOR』(閉鎖)

 かっこいい親友・由実果に「いい師匠を紹介してやるから放課後に校内を徘徊して友達なり彼氏なり作りなさい!」と言われ、「解った! じゃあ可愛い女の子探して友達になってみるよ!!」と言った主人公・真季。天然ボケの女の子は、可愛い女の子を求めて学校を徘徊します。


 脱力系恋愛ADV。
 可愛い女の子好きの天然の主人公は、鈍感でボケボケで可愛らしいです。そして、そんな主人公だからこそ苦労するのは「くぼっち」。もう爆笑するしかないコンビ。ただし、本気になった「くぼっち」は決してお近づきにはなりたくないです。主人公がナンパする女の子達も、ひよりを除けばあんまりお近づきになりたくない。かっこいいのは由実果の姉貴です。
 シリアス部分もありますが、基本は爆笑を誘う内容。一気にフルコンポしてしまうくらいにおもしろかったです。が、個人的に電波な美少女ルートは重かった。

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